あと1時間。少し早いですが投稿いたします。
森永 宏喜
【震災関連死・統計の示すものは】
~月命日定期便 24か月め~
「当初、申請の受付期限を2012年9月末としておりましたが、震災関連死による遺児からの申請が続いているため、期限を2013年3月末まで延長いたしました」
もうすぐ震災から24ヶ月、3回忌の日となります。長文ですがお許し下さい。
冒頭の告知は、津波遺児への特別一時金を支給している「あしなが育英会」が昨年末に発表したものです。
震災関連死の死者について、復興庁は「震災による負傷の悪化などにより死亡し、災害弔慰金の支給対象となった者」と定義し、自治体が設置した専門家による審査会が申請を受けて認定する仕組みとしています。
復興庁が把握している震災関連死者は、発災後1年以内では累計2,263人を数えますが、昨年3月11日から9月末までの半年余りの間では40人。申請から審査、認定の流れを考えるとこの数字は「氷山の一角」と考えるのが妥当でしょう。
沿岸の自治体では、審査会でいったん非認定となったものの、遺族からの再申請で覆る事例も出てきており、被災後1年以内に亡くなられた方の震災関連死者数も増えていく可能性が高いと思われます。
これに拍車をかけるのが「孤立死」の問題です。阪神・淡路大震災では兵庫県内の仮設住宅や復興住宅で「孤立死」が1000人を超えました。岩手、宮城、福島の仮設住宅で病気で亡くなったり自殺したりした独居の方が、すでに54人に及んでいます。私たちは神戸に学ぶ必要があるでしょう。
いま被災地では限られたマンパワー、限られた予算の中で自治体も、ボランティアの皆さんも懸命の支援を続けていますが、日々薄れていく記憶、関心の風化に抗いきれない印象は拭えません。そうした中、仮設住宅等で体調不良を訴える方は増加こそすれ、減ることはないのが実情です。
「東日本大震災の被災者等について、震災関連死を防止するには生活再建が大きな課題である。被災者等の様々なストレス要因を軽減するため国、地方公共団体、民間団体などが連携して、生活再建等の復興関連施策を引き続き実施するとともに被災者の見守り活動等の孤立防止や心のケアにも引き続き取り組んでいく」
これは復興庁が設置した「震災関連死に関する検討会」が、昨年8月にまとめた「東日本大震災における震災関連死に関する報告」の中の一節です。
この提言が、実を伴って被災地の隅々にまで届き、将来への展望、希望に繋がることを願ってやみません。