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また、関連記事のように、県外に避難したみなし仮設などでも、故郷に戻るという人は2割を切っています』

田野畑の佐々木さんからの詳細な現状総括です。

佐々木 公哉
【被災地の漁師の報告】 
故郷を離れる被災者 人口流失に歯止めかからぬまま2年に~「先が見えない被災地」 若者いない残るのは高齢者だけ。 県外避難者も「故郷戻らぬ」8割に 
http://blogs.yahoo.co.jp/sasaootako/62119010.html
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3.11 東日本大震災2年になろうとしています。
被災地から見れば、「この空白の2年は何だったのか」と思ってしまいます。
震災直後は・・・。
津波襲来で瓦礫が散乱していて、その中には遺体も含まれていました。
自衛隊、全国から来た警察、そして、米軍まで来て、3ヶ月は「遺体捜査」が中心に行われていました。
 その後、津波襲来地域の瓦礫の撤去が始まり、瓦礫置き場に運搬されました。
それは山のようになっています。少しづつその瓦礫は処分されはいますが、長い時間がかかると思われます。
その秋には、殆どの仮設住宅が完成して、被災者は体育館などの避難所から仮設住宅に移動しました。

(画像ー4枚)

さて、それからが問題です。
津波襲来地域の集落や街は、瓦礫が無くなっただけで、その風景はなんら変化がありません。
確かに、港、橋、道路などの「災害復旧工事」は始まってはいますが、住宅地、商店街だったところは、なんら変化がないのです。
まるで、時間が止まったような感じです。

被災地に来てみれば分かりますが
宮城・岩手の沿岸市町村の被災地は被害規模の違いがあり、また復旧、復興に若干の違いはあっても、どこに行っても似たような感じです。
今は、雪を被っていますが、春になると雑草が生えて、秋には枯れて、冬には雪で覆われる。これを2年繰り返しました。
(画像ー3枚)

「防災集団移転促進事業(高台移転)」は
各省庁の、平時と変わらぬ法(土地利用計画法、森林法、農地法、都市計画法、国立公園法などなど)は煩雑な事務で大きな弊害となっていました。
 農地法施行規則改正が改正されたのは、ついこの前の事です。
更に、被災市町村は被災住民の同意を得ながら、高台移転崎の地権者の同意も得なけばならず・。
沿岸市町村は、非常に苦労しています。

丸裸にされた被災者は
それぞれ自分の復興に動き始め、これからの自分の人生の進路を迷いながらも決めて、それぞれの生活の糧とる「生業(なりわい)」に向かって進もうとしています。
 しかし一方では、高台移転(田野畑村、野田村は除く)の計画がうまく進まず、更に、津波襲来地域の先が見えません。
店などを経営していた人は、どこで営業を再開したらいいのか・・・。それさえ、決めかねてる人も多くいます。

このような、「先が見えない被災地」で、当然の流れでしょうが、転出が増加しています。
例えば、街が壊滅状態となった岩手県宮古市田老地区(旧田老町)では、市が昨年10月~今年1月、被災した住民840世帯を対象に実施した意向調査では、回答した763世帯のうち、なんと48%の364世帯が被災地域の外への転出を希望しています。
事実、ここの仮設住宅は高台にある、グリーンピア三陸みやこ(旧グリーンピア田老)の脇に沢山の仮設住宅がありますが、既に60世帯以上の灯りは消えています。
若い人を中心とした、人口の流失に歯止めがかからなくなっているのです。
就労の場がなけば、生活出来ないので当然の流れとも言えます。
元々、高齢化が進んでいた地域ですから・・。年金生活者だけが残る・・。そんな、感じですね。

なので、岩手の被災した三陸沿岸の市町村は、当初の計画を見直し、人口減少と高齢化を見据えたまちづくりに軌道を修正しています。

 震災後に人口が3000人以上減った同県陸前高田市は高台に再建する県立高田病院の隣接地に、市役所の介護・福祉部門や社会福祉協議会の機能を併せ持つ保健福祉総合センターを併設する計画です。
高齢者や障害者が入居できる復興住宅を近隣に建て、医療と福祉を包括的に提供できるエリアを整備するというものです。
 市健康推進課の担当者は「仕事を求める若者の流出も続いており5、6年後には高齢化率が40%になるとも言われています。先を見据え住民に必要なサービスを届けられるまちづくりが必要となってきます」と話しています。
 また、大槌町も、転出が大きな課題となっているために、独自の住宅再建支援に力を入れています。自宅が流失した住民が町内に住宅を再建する場合、町単独で1棟につき一律150万円を補助を創設。町被災者支援室の担当者は「人口流出に歯止めをかける意味合いも大きい」と説明しています。
(画像ー2枚)

宮城、岩手両県の沿岸では震災後、人口が大幅に減っています。
震災前の11年3月1日と今年2月1日の推計人口の比較では、それぞれ宮城県沿岸15市町が1%(1万6474人)、岩手県沿岸12市町村が6・4%(1万7572人)減少しています。
(※ これは、住民基本台帳上で、住所は残したまま移転してる人を入れれば、もっと大きな数になります。)
 人口が増えたのは1・6%増の仙台市(1万6815人)と隣接する2・3%増の利府町(804人)だけ。宮城県沿岸部全体の減少が1%と小幅にとどまった背景には、仙台市や近郊への被災者の流入があるからです。 
■自治体別にみると
宮城県では、女川町22・6%(2247人)▽山元町18・3%(3047人)▽南三陸町15・1%(2616人)--が2桁の減少。人数では石巻市の1万1735人(7・3%減)が最多だった。
岩手県では、大槌町20・3%(3087人)▽陸前高田市15・4%(3585人)▽山田町12%(2214人)が10%超の減少となっています。
【参考資料  2013年02月26日現在】
毎日新聞 2013年03月03日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/news/20130303ddm003040149000c.html

◆津波被災世帯のうち他の自治体に移転意向の世帯数
自治体  移転希望世帯(割合) 調査対象世帯
◇宮城県
東松島市  616(23.9%)  災害危険区域世帯
女川町   445(20.7%)  土地区画整理事業対象などの被災世帯
石巻市   639(11.8%)  災害危険区域世帯
南三陸町  384(10.9%)  5戸以上の津波被害地域
亘理町    52( 9.4%)  災害危険区域世帯
◇岩手県
洋野町     3(17.6%)  全壊・大規模半壊世帯
野田村    20( 7.3%)  防災集団移転促進事業対象、復興住宅入居資格者
田野畑村   13( 7.0%)  全壊世帯
山田町   101( 7.0%)  義援金対象世帯
釜石市   258( 6.4%)  全壊・大規模半壊世帯
岩泉町     7( 3.6%)  全壊・大規模半壊世帯

【関連記事】
<東日本大震災>県外避難者「故郷戻らぬ」8割 本紙調査
毎日新聞 3月5日(火)2時31分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130305-00000012-mai-soci

このように、2年間、殆んど復興が進まず。
被災者の心理とすれば、「将来への、焦り、不安、」があるのです。

僕が思うに、最低でも、「なりわい」や「住宅」の道筋が見えない限り、故郷を去らざる得ない状況なのです。
また、関連記事のように、県外に避難したみなし仮設などでも、故郷に戻るという人は2割を切っています。

この流れは、復興が進まぬ今となては、収まる事はないと思います。
仮設住宅の暮らしに疲れて切っていて、心がボロボロになっているのです。
http://blogs.yahoo.co.jp/sasaootako/62119010.html

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